英語の歴史について

頭蓋骨の模型

英語の始まり

今となっては世界的な言語となった英語(実は使用者が最も多い言語ではないのですが)ですが、この言語は生まれた時から世界的な言語であったというわけではありません。
英会話を学んでいる人も、案外この英語の歴史というのは詳しく知らないのではないでしょうか。
ここでは、英語に興味を持つための入口ともなる「英語の歴史」についてひも解きます。

英語の歴史は、大きく3つの段階に分けることができます。
「英語古語」「中期英語」「近代英語」の3つです。
日本における漢文古文現代文のようなものだと思って頂ければ、そこまで齟齬はありません。

まずは、英語古語についてです。
英語古語は、イギリスで生まれました。
その為英語という名前で呼ばれるようになりましたが、この頃の英語というのは、オリジナルで作成されたものではありませんでした。

元々この頃のヨーロッパには「ゲルマン語」や「ノルド語」、「ラテン語」というような言語群が存在していました。
ゲルマン語は今でいう所のドイツ周辺の民族によって用いられていた言語で、ノルド語は現在でいう所の北欧周辺の民族によって用いられていた言語です。
英語はまずこのゲルマン語を原型として作られるようになりました。
現在のドイツ語などとも通じている単語などが多くあるのは、ルーツとなっている部分が似通っていることが理由です。

その後、ノルド語の影響を受けて、単語の多彩化が起こるようになります。
この2つの言語の流れを汲み、様々なことが表現出来る言語として当時のイングランド領内を中心に利用されるようになりました。

次に、中期英語についてです。
英語古語から中期英語に切り替わる、大きな歴史的な事件であったのがウィリアム王によるイングランド征服です。
これによって、イングランドはノルマン言語の支配下に収まるようになりました。
ノルマン言語というのは、ノルマンディー地方(フランス北部)の言語のことであり、これによってさらに英語の語彙が広がることになりました。

この時の事件によって、もう1つ大きな問題が発生します。
それは、綴りと発音が一致しなくなるという問題です。
例えばFiveのiはアイと発音するのに対して、Fifthのiはイと発音するように、綴りを見ても実際の発音がどうなっているのかが分かりにくいようになりました。

そして、この中期英語が現代の英語へと発展していくのは、印刷技術の発展が大きく影響を与えました。
印刷をして、広くに英語を利用することになったことで、これまでは比較的緩やかだった「スペリングの地域差」などが是正されていくようになります。
また、不足している語彙等がある場合には、他言語から借用されるようになりました。